ネコの夢

頭の中

昨日の夜、というか今日の明け方、ネコの夢を見た。

16歳だったはるか昔、実家が家を建て替えて、新築の家に住んでいたが、夢の舞台は38年前のその新しい家の私の部屋だった。

私は開いた自分の部屋のドアの外にいた。

部屋からはコタツが見えて、座布団の上に白ネコが丸まって眠っていた。

私は切なくて、切なすぎて目を覚ました。

それだけの夢で何も動きはなかったけど、そこには私が永遠に失ったものが有形無形に含まれていた。

目が覚めてからも胸が苦しかった。でもしばらくすると、その白ネコは16歳の頃に飼っていたネコではなくて、前の結婚生活で別居するまでの11年間飼っていたネコだったことに気づく。

ネコは別居の時、手放さなくてはならなくなった。

私がこの人生の中で、途中で手を離してしまった多くのことの一つだ。

やり切れない気持ちでベッドから起き上がって、リビングルームから外を見下ろした。

すると階下の人が飼っているネコとその飼い主が通りに立っていた。そのネコは、とても幸せそうに見えた。

やるせない朝だった。

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