先週の金曜日の夜、長男が突然、カナダ東部のトロントで仕事をすることになるかもしれないけどどう思うかと聞いてきました。
24歳の長男は、アメリカに本社があり、カナダの主要都市にも(世界の主要都市にも)支社がある企業で働いています。
求人は社内だけで行われ、一般には出回らないらしいのですが(なんかちょっと閉鎖的ですね)、この度トロント支社に彼がどうしても就きたいと考えているポジションの求人が出たため、応募を考えていると言われました。
えーーーーーっっっ!!!???
めちゃくちゃ動揺しました。
長男は大学を卒業してからもずっと私と一緒に暮らしています。
その理由は主にカナダの(特に大都市での)目玉が飛び出るほど高額な家賃によるもので、家賃が妥当な価格ならば、彼は多分大学を出た時点で家を出ていたと思います。
もちろんいつかはこんな日が来ることはわかっていましたが、こういうのって唐突に訪れるものなんですね。
何より驚いたのは、自分自身が予想に反してものすごく動揺したことです。
でもなんとか平静を装って、「それがどうしても就きたいポジションなら、絶対トライすべき。若いんだし」と私は息子に返しました。
ただ、まだ決めたわけではなく、躊躇しているようでした。
理由はトロントも恐ろしく家賃が高いこと(しょぼいベースメントでも日本円で20万近くすると言ってますが、そうなの?)と、車を所有していることが採用の条件になっていること。
給料は悪くはないようですが、家賃と車のリースや保険料というものがのしかかって来るため、生活は本当にギリギリになってしまいます。
おまけに、その就きたいポジションで有利に働くライセンス的なものを取得するためのオンラインコースを始めたばかりなので、気持ちにまで余裕がない状態になってしまいそうだと言っていました。
このオンラインコースの授業料は会社が出してくれているので、費用については問題がないにしても。
でも、私に打ち明けてくれた時には、応募してみることで気持ちは固まっていました。
ああ、なんてこと。息子が飛行機で4時間以上のトロントに行ってしまう可能性が生じてしまいました。
ショック。不採用だといいなあ、というのが本音。(←ひどい)
その翌朝には、気持ちが重たくて、起きるのにとても苦労しました。
私は自分が息子にとってこれまで全くいい母親ではなかったことを改めて申し訳なく思うと同時に、私も外国に行ってしまうという人生の選択をしたことで、母親にどれほど寂しい思いをさせていたかを身にしみて感じてしまい、さらに気持ちはどよーんとした方向に・・・
ロバートさんに話を聞いてもらったけど、気持ちは全く晴れませんでした。
離婚を決意した時から、自分が長男のことをいかに精神的に頼りにしていたのかがよくわかった。
そして2日後。
「応募するのやめた」と息子。
「え?なんで?」(嬉しい!!)
「いろんな友達と話してみて、ほとんど全員が車の所有を要求して来る条件に疑問を呈した」とのことでした。
ってことで、私はホッとしたわけですが、今回のことで、「いつかその日が来る」という当然のことが、いつ起こってもおかしくない現実のこととしてやっと理解できました。
一緒に居られる時間、他愛のない日常の会話、そんな瞬間を慈しみ噛み締めようと心から思ったわけです。当たり前のことなんて、きっとないんですよね。
コメント
Great post!
Thanks!