普段履きの靴がボロボロになったので、新しい靴を買うことにしました。
普段履きとは、スーパーに行ったり、ちょっと散歩に行ったりと、日常的に履く靴のことですね。
私は2カ月くらい前にハイヒールを長時間履いたことにより、足の裏を痛めてしまい、今も心なしか完全には治っていないので、「履き心地」最優先で靴を選ぶ必要がありました。
選択基準のポイントは履き心地の良さのみで、デザインは完全度外視です。
これ以上、足を痛めるなんて、絶対に勘弁。
こんな日が来るなんて。
これまで靴を買うときは、見た目が一番重要で、次にサイズ。
ポイントはそれだけでした。
見た目が好みでサイズが合えば、あまり値段も関係ありませんでした。
というのも、私の足のサイズは22センチと小さいので(ハイヒールは21.5)、サイズがあるだけでもありがたいと思わなければいけない立場だったのです。
立場が弱いゆえ、高いとか安いとか、言っていられなかった。
日本にいる頃は、量産される市販の靴はまずサイズ的に無理でした。
小さなサイズのおしゃれ靴は、高い靴屋さんにしかなかったと思います。
しかも種類はうんと少なめ。
だから、必然的に高い靴ばかり買う羽目に陥ってました。
足のサイズが23センチくらいの人のことが、とても羨ましかったです。
だから北米に来たときは、私に買える靴なんて皆無だと思ってましたが、意外や意外、こちらには22センチの靴(北米サイズでは5)って普通に販売されています。
確かに種類は少なめだし、ないところにはないけれど。
ecco に初挑戦
履き心地をとことん追求した靴メーカーと言えば、デンマークに本社を構えるecco ってことになるようですが、私は履き心地を追求したことがこれまで一度もなかったので、必然的にecco の靴を買おうと思ったことはありませんでした。
しかし、今回ばかりは違います。
もうecco 一択。
「靴は足のことを理解すべきである。その逆はない」という会社の理念にもノックアウトされ、eccoのウォーキングシューズについて、オンラインでしっかり目星をつけてから、実店舗に出向きました。
3軒目にしてやっとその目星をつけたウォーキングシューズを発見し、試着してみました。
でも、履いた瞬間、「え?」という違和感。
過剰に期待しすぎたせいかな?
なんか思ったのと違う。
こんな感覚初めて。
それというのも靴の中の土踏まずに当たる部分がこんもり盛り上がっているため、私の土踏まずは嫌でも圧を感じてしまいます。
歩いてみると、その圧力がさらに強調されるような形ですが、痛いとかそういうのではなく、不思議な感じ。
迷ったんですが、この違和感は慣れて来るとなくなるものだと自分を説得し、何足か試しに履いてみた後、上の写真の靴を買ったわけです。
普段履きの靴に税込みで268ドルも使ったのは初めてです。
こんなに払ってるんだから、悪い靴のはずがない、とも思っていました。
でもですね、うちに帰ってカーペーットの上やキッチンを何度も歩き回るに連れ、もやもやとした気持ちを抑えることができなくなりました。
なんか、変。そんな履き心地なんです。
足が靴の中でしっかり型にはめられた感じというか、足の自由度がまるでないというか、何より「今靴を履いています」という迫り来る感覚が、私には合わないと思いました。
私が求めていた「履いてないみたいな軽い感じ」には程遠かった。
あーあ、期待してた分、がっかり〜、と思いながら翌日返品いたしました。
やっぱりこれが王道?
モール内の ecco のお店で前日買った靴を返品した後、半ば意地になって、モール内の靴屋さん全てに足を運び、狂ったように(?)良さそうなウォーキングシューズを次々と履いてみました。
最後には足の感覚がわからなくなってしまうほどでした。
でも、困ったことに、どれを履いても、「これ!」という感覚はやって来ません。
60〜70代の方々でお店がパンパン状態だった高齢者に大人気のコンフォート・シューズのお店、スケッチャーズでも試着してみましたが、心が踊るような感覚は得られませんでした。
・・・疲れました。
だんだんと、もうどうでもいいやという境地になりながら、最後に入ったハドソンズ・ベイ(カナダの老舗デパート)の靴売り場でフラフラしていると、見切り市的な在庫処分セールのコーナーの前に迷い込みました。
主には夏物のサンダルなんかがサイズ別に無造作にラックに引っ掛けてあります。
そこに一足、場違いな感じでナイキのランナーがポンっと引っ掛けられています。
靴の中には15%引きのシールが貼ってあります。
定価155ドルの15%引き。ふーんと思いながら、とりあえず私のサイズだったのでやけっぱちで履いてみました。
その瞬間「え?」という驚き。
その、ポンと投げ捨てられたみたいに左右別々にラックに引っ掛けてあったナイキのランナーは、なんと私が欲しかった「軽くて履いてないみたいな感覚」をすっと差し出してくれたのです。
そのブランドがナイキだったことに、少し笑ってしまいましたけど。
なーんだ、結局王道じゃん。振り出しに戻ったみたい。
もちろん、ナイキの靴もこの日、何足も試着していましたが、在庫処分セールで出会った一足のように私の心を動かしたものはありませんでしたから、ナイキだからいい、ということではありませんよね。
そして支払う時に判明したのは、その靴が15%引きの後にさらに20ドル引きであったこと。わーい。
もうさっぱり訳がわかりませんが、私の足は喜んでます。
あー、それにしても疲れた。
もちろん、この靴もボロボロになるまで履き倒すつもりです!
コメント