今日のタイトルは、私が恋人の存在について息子たちに切り出した時のセリフです。
このようなセリフを自分の息子に言う日が人生に訪れるなんて。
友達に「私ね、カレができたんだよー」と能天気に打ち明けるのとは訳が違います。
こんな私でも、言うべきか言わざるべきか、しばらく考えました。
どうしよう。
自分の親が私にこんなこと言うなんて全くイメージできないし、昭和の時代に生まれ育った私には、非日常感が漂います。
でも息子たちは生まれも育ちもカナダです。
当時二人は大学生と高校生。
うーん、この国のカルチャー的には、それほど非日常的な話でもないかな?
いろいろ考えた末、やっぱり話しておこうという結論に至りました。
やっと?
離婚を申請して、親子3人の生活が落ち着いた頃、まず長男に切り出してみました。
彼の第一声は、英語で「It’s about time.」でした。
え?
かなり意外。
これは「もうそろそろ〇〇してもいい時期だ」という意味です。
「やっと」とか「遅すぎるくらいだ」というニュアンスもあります。
そして長男は「なんでママが今までボーイフレンドを作らなかったのか、わかんなかった」と続けました。これは日本語で。
全く予想外の返答を私はただぽかんと口を開けて聞いているような状態でした。
はあ、そういうリアクションですか。ずいぶんポジティブ(?)じゃないですか。
これは文化の違いかジェネレーションの違いか男女の違いかわかりませんが、驚きました。
大人というか、クールというか・・・
気持ち悪いとかは、思わないんだね。(私なら思うかも。)
あとで、長男の発した「It’s about time.」という英語に対する私の解釈が本当に間違ってないかどうか、インターネットで確認しましたよ。
ひょっとしたら、若者言葉とかで、私の知らない裏の意味があるんじゃないかと思って。
息子の言ったことの意味をネットで調べるとか笑えますね(本人に聞けばいいじゃん、ってところですが、はばかられたんです・・・)。
いずれにせよ、お母さんにボーイフレンドができたことについては、特にネガティブな印象を持っていないようです。
無理してそう言っている感じでもなかったので、ちょっとホッとしました。
そういえば、離婚について長男が言ったのもこれと同じだったなあ。
「なんでもっと早く別れようとしなかったの?」っていうね。
あと、「This is the best decision you have ever made.」とも言ってました。
「離婚はママがこれまでに下した決断の中で最高のものだ」っていう。(直訳で失礼します。)
お父さんの方がいい
長男には、当時高校2年生だった弟にはこのことは言わないように釘を刺しました。
やっぱり、いくらオープンなカルチャーで育っている今風のカナダ人とはいえ、こんなこと聞かされるなんて、まだ若すぎるんじゃないかと躊躇して。
でも、しばらくして、彼なら大丈夫だと思うようになりました。
複雑な家庭環境の友達とか知り合いとかいろいろ見てきてるし、現実に対する免疫はあるだろうと踏んだわけです。
おまけに次男の方が長男よりクールだし。
でもですねえ、彼の第一声にも驚かされました。
「お父さんの方がいい」。
え?
お父さんの方がいい?
一瞬、どういう意味なのか戸惑いましたが、これはインターネットには載っていません(当たり前です)。
その後に、「ここに引っ越してくるの?」と続けたので、
「ああなるほど」と思い、ボーイフレンドが引っ越してきたり、私が引っ越して行ったり、私が再婚したり、息子たちと一緒に住んだり、お父さんの代わりになったりすることは、一切ないことを伝えました。
すると次男はホッとした表情を見せました。
私にボーイフレンドができたことで、私と息子たちの生活にネガティブな変化が生じることは絶対にありえません。
でもこれは、長男の発言以上に意外でした。
お父さんのことを口にするなんて。
次男は(長男もですが)、父親の母親に対する態度や、父親が自分たちに対して何も責任を果たそうとしないことをずっと見てきて、軽蔑を通り越して諦観という境地に至っていました。
彼らが日常で父親について話すことは、まずありません。
それでも、お父さんは世界に一人なんですね。
嫌いなはずのお父さんのことを咄嗟に口にした次男。
その時の表情は忘れられません。
あなたのお父さんに見せてあげたいよ。
私は息子のそういうところが本当に大好きだと思いました。
親子三人
ボーイフレンドとの付き合いは、私が彼のうちに行くという形を取って、彼が私のうちに来ることはまずないので、息子たちを交えた付き合いというのはありません。
でも双方、私を通してそれぞれがどんな人なのかよく知っているような感じです。
息子たちは、私がボーイフレンドができる前と後で何も変わってないところ、浮かれてないところ、でも幸せそうなところを見て、安心しているようです。
ボーイフレンドの方も、自分が私の息子たちから「いい人」だと思われていることに、安心しているようです。
今は親子3人で暮らしていますが、ふと思います。
こんなふうに彼らと一緒にいられるのはあとどのぐらいなんだろうって。
ところで、今週は30度を超える暑い日が続いていて、昨日は夜、クーラーのある部屋に集まって、3人であれこれ他愛のない話をたくさんしました。
同じ家に住んでいても、それぞれ多忙で3人揃って話したりすることはあまりないので、久しぶりの団欒に、なんか息子たちも楽しそうでした。
そろそろ寝ようか、ってなった時もみんな解散するのが名残惜しいような感じ。
もちろん、同じ狭い家に住んでいるわけだし、こんなのいつでもできるけど、いつかは終わる。
私は息子たちに出会えた幸せを噛み締めて、彼らに心から感謝しました。
彼ら2人も、一緒にいる瞬間も、宝物です。
この瞬間を味わうために生まれてきたような気さえします。
それにしても、こんな会話を日常的に息子とするなんてね。
私:「ちょっとロバートさん(仮名)のところに行って来るね」
息子:「泊まってくの?」
私:「ううん、今日は泊まらない」
息子:「じゃあ運転気をつけてね」
私:「うん、いってきます」
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