離婚申請が却下されたのが2019年12月。
その後、まずは無料で相談に乗ってくれた弁護士のアドバイスに従い、私は1人で離婚申請書のコピーを取りに最高裁判所に出向きました。
離婚申請書を提出した際に、元夫が申請書のコピーを取らせてくれなかったためです。
申請に関する全ての書類は、当事者であれば1ページにつき1ドルで裁判所がコピーしてくれます。
ホント、バカバカしいと思いましたが、全ては私が間抜けなことに起因しています。
申請書の中身がどうなっているか把握するために、というか、今後弁護士に相談する可能性があることを考えても、書類のコピーは必須でした。
20ドルちょい払ったので、ページ数は20ページ超ということになりますね。
元夫とはこれからどうするのか話してはいましたが、全体的にうだうだした感じです。
しかしそうこうするうちに2020年3月、パンデミックが発生して全ては頓挫した形になりました。
最高裁判所も窓口が閉まってしまい、書類の提出は郵送のみの受付ということになりました。
Mr.W 再び
離婚の申請が却下されて半年以上が過ぎた2020年7月の終わりに、前回無料で相談に乗ってくれた例の弁護士Mr. W(と呼びます)にもう一度アポを取りました。
今回は裁判所でコピーした申請書と却下された理由の書かれた手紙のコピーを持って、本格的にこの件について依頼しようというつもりでした。
さて、全てにざっと目を通したMr. Wは、
「あなたの離婚申請は、本当にシンプルで、本来ならばいともたやすく決着がつくはずなんですよ」
と言いました。
確かに、何にも争ってないしね。
やるべきことは、元夫と私が昨年度の確定申告をした際の所得諸々のまとめ(Notice of Assessment = 政府によって発行されたもの)に記載されているそれぞれの年収を養育費ページに記入し、計算式に当てはめて、毎月の養育費を弾き出す、それだけです。
問題は、元夫が確定申告をスルーしていること。
つまり、年収の記入やら年収証明の添付やらができないのです。
元夫は頑なに確定申告を拒んでいます。って、もう無茶苦茶です。
じゃあもう、離婚なんて永遠に無理じゃん!って話です。
余談ですが(そうでもないかな)、Mr. Wによると、裁判所が定めた養育費を払わない親もたくさんいるそうです。
裁判所による強制的な天引きは、もらう側が「払ってもらってませんが」と訴えた場合にのみ行われるので、訴えなければそのままうやむやになるらしいです。
えーと、とにかく私の場合はどうやって元夫に収入証明を用意させるかです。
私が自分の置かれた状況に激しく気持ちを落ち込ませていると、Mr. Wは、この法律事務所に所属する離婚に詳しい弁護士から話を聞こうじゃないかと、彼の先輩弁護士Ms. Lを紹介してくれました。
Ms. L からの叱責
私とMr. WとMs. L は、テーブルを挟んで座り、Ms. L がこの状況で私にできることを話し始めました。
彼女は私と同じくらいの年齢で、ベテラン弁護士の風情が漂っています。
まずは、「共同申請ってのは、途中でこういうことになるから、絶対にやっちゃいけないことだったのよ」と第一声。
そして、Ms. L は、今私(と元夫)にできることの一つは、元夫が裁判所に行って、「自分はこの申し立てから降りる」と離婚の撤回を宣言することだと言いました。
そうするとこの離婚申請は、私1人が申し立てていることになるから、彼さえ私の申し立てを不服としなければ、離婚が成立します。
ただ、このプランは、元夫が非常に疑心暗鬼であることから、可能だとは思えませんでした。
次にできるのは、未成年の次男が19歳という成人年齢になるまで待つこと。
19歳になって(なぜか)3カ月が過ぎた時点で裁判所に「息子は成人でありフルタイムで働いているから親からの養育費は必要ありません」と私と元夫が申し立てると、養育費問題は問題ではなくなるとのことでした。
この場合、あと1年弱も待たなければなりません。
私は、「どっちにしてもあの人から養育費がもらえるなんて思ってないし、そんなのなくてもいいから一刻も早く離婚したい」と本音を伝えました。
すると、です。
Ms. L は声を荒げて
「あなた、そんなことを裁判官の前で一言でも言ってごらんなさいよ。一生離婚なんてできないから!」
と私を叱責しました。
「養育費はあなたのものじゃないのよ。子供のものよ。だから、あなたに子供のお金をなくてもいいとか言う権利は全然ないの。わかってる?」
ああ、ごもっともです。
本当にごもっとも。
厳しそうな弁護士だけど、私は彼女のことが気に入りました。
ですがこの日はこの件について正式に依頼することはしませんでした。
元夫にどうするか聞く必要があったからです。
私がこの日、両弁護士と話した時間は30分以上、1時間未満でしたが、なんと今回も「お金は払わなくていい」という扱いでした。
とてもありがたく、とても不思議に思いました。
2度目の申請と2度目の却下
私は元夫にMs. L との話を伝えました。
いちばん手っ取り早いのは、彼の収入証明をMs. L に渡して数字を書き込んでもらうことです。
彼は最初のうちはそうれでいいような感じでしたが、途中から態度を硬化させて、弁護士には頼まないと断言しました。
そして私をTim Horton’s(ドーナツ屋)に呼びつけ、養育費の欄に手書きの文章で修正を記入し始めました。
収入証明はつけず、月に500ドルを払うと書き込み、その後お互いのイニシャルを入れました。
「よくわかっている友達」にどうすべきか聞いたんだそうです。
へえ、そんな友達いたんだ。
私はTim Horton’sの綺麗とは言えないテーブルの上で書き込む彼の姿を見ながら、「ダメだ、こりゃ」と悲しい気持ちになりました。
なぜなら、私はこの期に及んでも、まだ元夫の言いなりだから。
私たちはその修正された用紙を、ようやく開いた裁判所の窓口に、持って行きました。
「今回は修正部分の提出だし、コロナのおかげ(?)でプロセスも早くなっているから、3週間〜1カ月のうちには知らせが行くことになると思うわ」とのことでした。
実際に元夫のところに1カ月以内に知らせが来ました。
またしても却下されたという知らせが。
ああ、Ms. L が言ったように、一生離婚できなかったらどうしよう。
私はそう思いました。(続く)
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