州裁判所を後にし、弁護士に会うことも叶わず、落胆のまま解散した私たちでしたが、その数週間後にはすっかり立ち直り(?)、今度こそという意気込みで最高裁判所に向かいました。
2019年9月下旬のことです。
この日に至るまで、離婚申請書の記入内容がこれでいいのかどうかは誰にも確認してもらっていません。
申請書は元夫が持っていて、なぜかコピーさせてくれないので(こっそり重要なページは写真、撮っていますが)、かたちとしては彼に丸投げです。
元夫は気持ちを切り替えて、「ま、確認はほしいところだが、これで大丈夫だろ」と思い込んでいる様子です。
いずれにせよ、今回は間違った裁判所に向かっているわけではないので、私は道中、愚かにも「今度こそはいい方向に動き出すかもしれない」という淡い期待を抱いていました。
最高裁判所でも気持ち、上がったり下がったり

最高裁判所に到着すると、私たちは番号札を取って順番を待ちました。
順番が回ってきたところで、元夫が窓口の人に「離婚の申請をしに来ました。共同請願です。ただ、記入は自分たちでやったので、これでいいか見てもらえませんか」と丁寧にお願いしました。
すると、予想通りと言うべきか、「申し訳ないのですが、自分たちは法的アドバイスができないんですよ」という例の返事。
しかし今回が前回と違ったのは、
「弁護士にみてもらうことをお勧めします。この近所にも何軒か弁護士事務所がありますよ。なんならこの建物の2階にも30分無料で相談に乗ってくれる弁護士がいますけど。行ってみてはいかがですか?」
と言われたことです。
このすぐ上の階に?
しかも裁判所の人が勧めるんだったら間違いない!そして無料!超ラッキー‼︎
やっと風向きが変わって来たぞ。
私たちは急いで2階に上がり、その弁護士の部屋を探しました。
ありました。ありました。
2階のロビー的な場所の一角にガラス入りの仕切り板みたいなので無理やり作った小さなオフィスです。
年配の弁護士らしき人の姿も見えます。
しかし、元夫が落胆の声を上げて言います。
「あれ、見ろよ」と。
視線の先には張り紙が貼ってあります。
「カップル2人で来たら、絶対に会いません」と書かれた張り紙が。
でた。またコレです。
私はがっかりすると同時にかなりイラつきました。
窓口の人は、2人揃ってたら弁護士は会ってくれないって絶対知ってたはずなのに、なんでこんな役に立たないインフォをくれたりするんでしょう?
喜びも束の間、イライラと落胆の気持ちが交互に繰り返されていきます。
強引に提出された離婚申請書

短気な元夫はしびれを切らし、もうこのまま提出しようと下の階の窓口に行き、さっきとは違う係の人に申請書を出したいと告げました。
窓口の若い女の子は申請書をパラパラとめくり、「あれ、ここが空欄ですよ」と養育費のページを指摘します。
ほらね。
元夫は「ちょっとこれを記入してくれた人に聞いてみますから」と一旦引き下がると、記入代行業者にかなりキレ気味に電話をかけました。
この場合、どうしたらいいか教えろと威圧的に問い詰めています。
法的アドバイスができない代行業者と喧嘩腰のやり取りをした後、元夫はものすごい剣幕で「養育費に関する情報をこの申請書に添付します」の箇所に取り消し線を引いてないものにするという暴挙(!)に出ました。
この暴挙が、代行業者のアドバイスだったのか彼の剣幕に圧倒された窓口の人の苦肉の作だったのか、覚えていません。
ですが、周りの全員が「これ以上コイツには関わりたくない」と思ったに違いありません。
私は彼の斜め後ろに突っ立って、その様子をぼーっと眺めていました。
このような状況はこれまで数え切れないくらい経験したことがあります。
これもその中のひとつで、元夫がピリピリした雰囲気を漂わせようとすればするほど、私は無感覚になります。
私はこの騒ぎの間中、無表情でバカみたいにただそこに突っ立っていました。
最終的に元夫が「もうこれで申請書を提出する」と窓口の人に宣言したため、私たちは裁判所の公証人の前でそれぞれこの申請書に嘘偽りがないことを宣誓しました。
その後「3カ月くらいで結果が郵送されるから、この封筒に自分の名前と住所を書いてね」と言われ、私たちはそれぞれ自分宛の封筒を作成しました。
離婚申請の料金は210ドルでした。
公証人の前で宣誓したため(だったと思う)別に80ドルも払いました。
210ドルは私が払いました。払う段階で、元夫が「お金がない」と言い出したから。
80ドルは、ブツブツ言いながら、彼が払いました。
この日の疲労感は半端なかったです。
どうして養育費を払いたくないの?

さて、この日、私をとことんまで落ち込ませた最大の理由は、このわけのわからない状況を作り出し、無駄にピリピリしている元夫に対し、私が自分の考えを上手く口にできなかったことです。
「子供のいる夫婦の離婚でいちばん重要な部分って子供に関する取り決めだから、ここを無視して離婚なんてできないよ」。
彼を怒らせることなくこれを伝えて理解してもらうことができなかった。
これが私たちの関係の縮図であるという事実を改めて思い知らされて、とてもきつかった。
高校生の次男は私と住んでいるので、養育費は元夫から私に支払われるのが法律上の定めです。
実際に払うかどうかは別にして。
いくら払うのかは、ざっくり言って、収入によります。
計算式のようなものがあるので、そこに数字を入れていくと、一月に支払うべき金額がはじき出されます。
それだけのこと。とてもシンプルです。
私が請求したり騒ぎ立てていないだけで、何なら、もう別れて住んでいるのだから、今この時点ですでに払われてて当然のお金です。
それにしても、です。
彼はどうしてここまで養育費の金額を記入することを避けるのか、本当に不思議でした。
自分の子供でしょう?
帰りの車の中でそんなことをぼんやりと考えていたら、元夫がまた大騒ぎを始めました。
例の取り消し線を引いた箇所にイニシャルを付けるのを忘れたというのです。
またしてもピリピリした空気が漂って、正直もううんざり。
裁判所は4時に閉まるので、引き返しても間に合いません。
こうなったのはすべて私のせいだと大きな声で言い放ち、彼は運転しながら裁判所に電話をかけました(後日イニシャルを追加すれば大丈夫とのことでしたので、私たちは2週間後にイニシャルを追加するためだけに、再び最高裁に出向きました)。
しばらく離れて暮らしていたけど、この人、全然変わってないなあ。
離婚を決めて、ホントにホントによかった。そう思いました。(続く)
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