カナダで国際離婚 その2

人生劇場

私たちの離婚プロジェクトは、私が家を出たのとほぼ同時に始動することになりました。

これが夫婦としての最後の共同作業です。

とはいえ、取り掛かりの段階では、すべて元夫に任せてありました。

なぜなら、私たちは何かを一緒に取り組むということが、どうしてもできないからです。

私が少しでも「こうした方がいいんじゃない?」みたいなことを言うと、間違いなく逆上します。

そうなると超めんどくさい上に超不愉快なので、一人でやってもらって、私はそれに追従することにしました。

ものすごく嫌な予感はしましたけどね。

さて、このプロジェクトにおける2人のゴールは、

  • コストを最低限に抑える
  • できるだけ短期間で決着をつける

この2点を踏まえた上での離婚でした。

あ、「2人のゴール」とか書いちゃって、もし2人で有終の美を飾ろうと頑張っているふうに聞こえたら、それは大きな誤解です。

この作業は苦痛以外の何物でもありませんでしたから。

でも私が感じた苦痛やら怒鳴られてる回想シーンは、可能な限り端折っていきますね。

協議離婚でいく

一切の説明はなかったし、私も聞かなかったので、元夫がどうやってそのサービスを発見したのか、そしてそれがどんな会社組織(?)だったのか今も不明ですが、とにかく彼は、離婚申請書の記入を代行してくれるサービスを見つけてきました。

弁護士に頼むより、断然安いからです。

元夫は、離婚の方法としては、

  1. 双方が離婚に同意して、共同で申請する方法(協議離婚)
  2. 一方が単独で、もう一方に対し離婚を申し立てる方法

という二つがあるが、自分たちは協議離婚でいくと私に通達しました。

こっちの方が安全(?)だからと。

別居期間に関しては、家庭内別居も含まれるので、1年以上という条件は余裕でクリア。

すぐにでも離婚申請できる状態でした。

私は言われるまま、その代行業者が作成した申請書に目を通して事実関係を確認しました。

申請書には、2人の名前、住所、生年月日、結婚した日付、別居を開始した日付、財産の分け方、負債の分け方、扶養手当、未成年の子供情報や養育費などについての項目があります。

記入されている部分は大丈夫でしたが、記入されていない部分、つまり養育費の欄は空白です。

この時、大学生の長男は成人年齢に達していましたが、次男はまだ未成年でした。

とにかく次なる目標は、この記入で間違っていないか誰かに確認してもらうことです。

養育費の欄が空白とか、裁判所に通用するはずがないと思いましたが、それを上からガツンと言ってくれる人が私にとっては必要でした。

というのも、この代行業者は弁護士ではないので、法的なアドバイスは一切できず、「顧客の言う通りに記入するのが仕事」でした。

そこで私たちは、元夫が200ドル払って記入してもらったというその申請書を持って、裁判所に向かいました。

裁判所の窓口も法的アドバイスができないので、記入内容の詳細にわたる確認は裁判所で訊くことではないと、今ならわかっていますが、その時の私たちはそれについて知る由もありませんでした。

州裁判所に迷い込む

ホント、そう。お互いに。

何より余計なことを言って怒鳴られたくなかったので、すべて元夫に任せていた私も悪いのですが、主導権を握っているはずの彼のリサーチ不足は、私たちを近所の州裁判所という間違った場所に迷い込ませてしまいました。

「その1」で書いたように、離婚申請は、最高裁判所でするものです。州裁判所じゃなくて。

州裁判所の窓口は、「これうちじゃないっすよ」みたいなことをとても丁寧に教えてくれました。

でも、私たちがあまりにトンチンカンふうに見えたのか、元夫の「この記入で大丈夫か」という喰らい付きがトンチンカンだったためか、私たちは裁判所内の家族問題相談センターみたいなところに案内されました。

しかし、相談員の女性には「え?2人いっぺん?」と驚かれ、「夫婦の片方としか話さない」とか「2人揃っての相談はムリ」とか散々言われ、もう完全に意味不明です。

こっちだって、なぜここであなたと話さなくちゃならないのか、よくわかっていないんですけど。

それでも最後には「今日は本当に特別だから」と念押しされ、その女性は子連れ離婚について話し始めました。

混乱に拍車がかかります。

私たちがその日にやりたかったのは、離婚申請書を受け付けてくれる裁判所で記入の仕方を確認して、記入に間違いがなければ、提出して帰る、間違いがあれば訂正の仕方を教えてもらう、それだけでした。

なのに、状況はどんどん違う方向に流れていきます。

でも、この相談員との面談でわかったこともあります。

例えば、未成年ではない19歳以上の子供でもフルタイムの学生の場合は養育費が発生することなど。

へえ、そうなんだ。まあ、情報として得るものもありました。

最後に州裁判所は、無知丸出しの私たちに、最初の30分が無料の弁護士を紹介してくれる「弁護士紹介所」の電話番号をくれました。

弁護士が会ってくれない

「とにかく誰か、この申請書の記入でいいかどうか確認してくれ!」

この切なる願いを叶えてくれるのは、弁護士しかいないことは、いかに鈍感な私たちでも薄々感づいています。

裁判所から駐車場に戻ると、元夫は弁護士紹介所に問い合わせ、30分無料の弁護士の電話番号を聞き出しました。

紹介所には弁護士リストがあるようで、住んでいる市の中から誰か選んでくれるようです。

すぐに弁護士に電話して、アポを取ろうとしたのですが、先方が提示した時間とスケジュールが合わず、元夫は私1人を送り込もうとしました。

妻が行くからと。

すると弁護士は「あなたと電話で話したからには絶対に奥さんとは会えませんし、電話で話すこともできません」という耳を疑うような言葉を返してきました。

どういうことですか、これ?

全然知りませんでしたが、どうやら弁護士やらそれに携わる人って、片方としかやりとりができないようです。

私たち、争ってないし、ただこの申請書がこれでいいかどうか確認してほしいだけなのに。

無料の30分をオーバーしたら、オーバー分を払うくらい全然構わないし、とにかくざっと目を通して、訂正すべき箇所があったら、そこを指摘してほしいわけです。

双方に弁護士をつけて法廷でやりあうとか、そんなこと全然望んでないんですけど。

求めるものがどんどん遠ざかる感じです。

元夫のイライラは頂点に達しているようだし、私の集中力も完全に切れてしまい、その日は解散することにしました。(続く

これを書いているときに、ジョニー・デップが元妻との名誉毀損裁判に勝訴したというニュースが私の携帯にポップアップして、裁判所ってフル回転だなあ、と思いました。アンバー・ハードが払わなくちゃならない損害賠償金、約20億円なんですね・・・

コメント

Copied title and URL