私がカナダに来たのは25年前です。
最初に住んだのは、バンクーバーから車で1時間ほどのところにある、どちらかと言えばマイナーな(?)街でした。
日本人がたくさん住んでいる街ではなかったような気がします。(今はどうなのかな?)
取り立てて魅力的な場所というわけではなかったけど、かと言ってとんでもなく酷い場所でもなかった、「まあ、普通」そんな印象です。
私がそこに住んだ理由は、元夫がそこに住んでいたから。
彼は1981年に運命の巡り合わせで州外からその街に引っ越して来て、そこで10代を過ごしました。
うちの長男はその街の病院で生まれましたが、私たち元家族がそこで暮らしたのは、合計2年くらいです。
ただ、住んでいた頃にあちこち散策しなかったのと、当時は車の運転をほぼしていなかったので、25年前ということも相まって、私は街のことをほとんど覚えていません。
その街から引っ越した後も、元夫の実家がそこにあるので遊びに行きはしましたが、実家に直行して直帰するだけなので、街の特徴とか雰囲気とか、今でも曖昧です。
偶然その1
私とボーイフレンドのロバートさん(仮名)が付き合うようになって、彼がとても驚いたのは、私がその街に住んでいたこと、また元夫がそこで10代を過ごしたことでした。
というのも、ロバートさんも1982年に運命の巡り合わせで州外からその同じ街に引っ越して来て、そこで10代を過ごしたからです。
お互い街のどの辺に住んでいたのかは、特に話してこなかったのですが(私が住所を全く覚えていなかったので)、先日カナダのディスカウントストア、Zellers という全国規模のチェーン店が来年復活を遂げるというニュースを目にしたとき、私の記憶がおぼろげに蘇って来ました。
Zellersは少しだけ規模の小さいウォールマートみたいな店でしたが、まさにウォールマートのカナダ進出などに圧倒されて、2013年にほとんど全店舗が姿を消してしまいました。
復活のニュースは、一部のカナダ人を歓喜させているようです。懐かしさに後押しされて。
で、私に蘇って来た記憶というのは、私があの街に住んでいた頃、Zellersが歩いていける距離にあったため、長男をストローラーに乗せて、しょっちゅう買い物に行ったり、店内をぶらぶらしたり、帰りに公園に寄って長男を遊ばせたりしていたことです。
このことをロバートさんに話すと、自分もその街の同じZellersに歩いて行ける距離に住んでいたのだと言いました。
私が住んでいた頃は、ロバートさんは既に街を出ていたので同時期ではありませんが、歩いて行けるくらいの近所に住んでいたことが判明しました。
バンクーバーのような大きい街なら、まあそういうこともあるかもしれませんが、あんなマイナーな場所ですぐ近所に住んでいたなんて、すごい偶然だと思いました。
偶然その2
話は変わりますが、去年、ある場所にロバートさんと車で向かっていた時のことです。
今住んでいる街とは全然関係のないちょっと離れた街で高速に乗ろうとして、乗り損ねたことがありました。
反対方向の高速に乗ってしまい、次の出口で降りて、ある一角に迷い込んでしまいました。
元の場所まで戻ろうとしている時、ロバートさんがある建物を指差して、言いました。
昔あそこで働いていたんだよ、と。
仕事自体は好きだったけど、人間関係が最悪でね・・・とかなんとか言いながら。
え?
実は、私は彼が指差した建物の向かいの建物で1カ月だけアルバイトをしていたことがありました。
5年くらい前かな?
車がその辺りに迷い込んだ時、「あれ?この辺りは昔のアルバイト先の近くだよね」なんて思っていたので、びっくりしました。
ロバートさんがそこで仕事をしていたのは20年くらい前のことらしいので、時期はかぶっていません。
でもこの場所もバンクーバーのような大きな街ではなく、しかも取るに足りないような一角でした。
これも偶然?
おもしろいようなzigging zagging・・・
偶然ハイキング
さて、先週末、ロバートさんとサイプレス州立公園にハイキングに行きました。
冬はスキー場として有名なサイプレスですが、夏はハイカーで賑わいます。
サイプレスには簡単なものから高難度のものまで、実に様々なハイキング・トレイルがあり、どのコースを選んでも、大自然のエナジーが味わえるパワースポット的な場所です。
ハイキングを思いついたのが当日で、サイプレスについたのが2時半だったので、軽めのコースを選びました。
ほぼ平坦な山道を歩き、向かった先のユー湖で一休みしました。
湖というよりは沼に思えましたが(?)、ここにたどり着くまでの道沿いには野生のブルーベリーがぎっしりで、パクパク食べながら歩いている人もいました。
湖に着いた途端、それまでは曇り空だったのに青空が広がりました。
やった!これも偶然。ラッキー!
そして今度はそこからボーエン・ルックアウトという展望台に向かいました。
これは結構きつかったけど、展望台から眺める景色の美しさとそこで出会った野生動物の可愛さは、「来てよかった」と思わせるに十分です。
その場にいた4組のカップルと少年4人組が誰もほとんど口をきかない(話すときは超小声)というのもよかった。
みんなその場所に溶け込んで、静かにその瞬間を最大限に楽しんでいるようでした。
おまけに眼前に広がる海や空や向かいの島の方向は晴天なのに、反対方向に振り向くと今にも雨が降りそうな曇り空です。
不思議だなあと思いました。神様の計らいかしら。
ところでこの日は、偶然にも長男も友達とここにハイキングに来ていました。うちに帰ってから知ったことですが。
私も彼もしょっちゅうハイキングに行くわけではないのにね。
実は去年も私たちがリンバレーでハイキングをしていた日に、長男もリンバレーでハイキングをしていたということがありました。これも後で知りました。
偶然ジグザグ。
どれも取るに足りない偶然ですが、こういうの、大好きです。
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